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2011/4/23 Sat. 24 Sun 富士チャンピオンレースシリーズ 第1戦 ダイジェスト


絆が試される年となった2011年。
富士スピードウェイのオープニングイベントとなった富士チャンピオンレースシリーズ第1戦。

 2011年3月11日、我々が知りえる中で最大級の地震が東日本方面を襲った。さらに大きな津波や原発の事故など地震によりもたらされてしまった災害が次々と連鎖され、2011シーズン開幕直前になっていたレース業界にも多大な影響を受けた。東日本方面にも主たるサーキットやエントラントも多数いる中で、日本のビッグレースの開催日などの日程見直やレース開催そのものの危ぶまれていた状況だが、富士チャンピオンレースは予定通りに開幕を迎えられることとなった。
 東北方面の被害が大きく報じられている中、FSW近辺でも大きな余震などが幾度となくあり、さらに昨年の台風被害がまだ復旧しきっていない中だが、やはりここはレースを行うことで、経済の活性化や人々の元気を取り戻そうと関係者や参加者が一丸となって開幕を迎えた。
 まだ周辺道路の工事箇所も多いが、サーキットや隣の富士霊園の桜も満開になり、土曜日の予選日はかなり荒れた天候で、タイムスケジュールの変更などがあったものの、肝心の決勝日には朝から快晴で一日好天に恵まれ、まさに今我々が置かれている日本の状態のように嵐の後には晴天が来るという期待を込めて行われた開幕戦になった。


FORMULA CHALLENGE JAPAN

■ Round 1

 本来なら土曜日に決勝が行われる予定だったFCJの第1戦は、悪天候のため日曜日の早朝7:45からの決勝スタートとなった。
 第1戦の予選は激しい雨の中のタイムアタックだったが、その中でポールを取ったのが11FTRSスカラシップFCJの石井一也、そこに4FTRSクラリオンFCJ平川亮、9LUCK FTRS FCJ勝田貴元が続くスターティンググリットになった。
 決勝レーススタート時は晴れてはいたもののまだコース路面は所々が濡れているというウェットコンディション、一周のフォーメーションで様子を見ながらスタートが切られる。スタートで上手く前に出た9勝田がトップで1コーナーに消えてゆく、そこに続いたのは4平川、15仁木の順、周回を重ねるごとに徐々にその差を広め、 15周のレースは9勝田、4平川と続き予選8番手スタートからの12NDDP FCJ高星明誠が3位でフィニッシュを迎えた。
 シーズン開幕優勝となった9勝田は「このようなコンディションだったので、スタートが大事と思い、神経を集中させました。この後の第2戦はまたコンディションも違うと思うので直さなければいけないところも沢山ありますがまたここに立ちたい」と話していた。


Rank Car No. Name
1 9 勝田 貴元 LUCK FTRS FCJ
2 4 平川 亮 FTRSクラリオンFCJ
3 12 高星 明誠 NDDP FCJ
4 3 近藤 翼 NDDP Maruso FCJ
5 17 平峰 一貴 HFDP/SRS-F/コチラR
6 15 仁木 圭之 ALT TeamNaokiST

 

■ Round 2

 二時間のインターバルの後、10:20にスタートが切られたFCJ第2戦、前日の雨の予選でスターティンググリットは3NDDP Maruso FCJ近藤翼がポール、そこに第1戦3位の12高星明誠、11石井一也の順となっている。
 スタート時にはもうすっかりドライ路面になっていて快晴のレース日和。スタートでは3近藤がその座を譲らずに1コーナーに入ってゆき一周を終えてコントロールラインを越える頃には5番手スタートの17HFDP/SRS-F/コチラR平峰一貴が二番手に上がってきた。三周目にはダンロップコーナー進入で3近藤をとらえトップに出て17平峰はそのまま他車を引き離しにかかる。
 レース中盤からは2番手争いがかなり激しくなってきた。三分の二を向かえた14周目に4平川が二番手に出てそこからはそのポジションをキープ。21周のレースを終えた時には17平峰、4平川、9勝田の順でチェッカーを受けた。
 レース後17平峰は「(表彰台真ん中に)立ててとても嬉しいです。開幕戦を迎えられコース上に立てること自体幸せなので皆様に感謝しています。もちろんこれからも勝ち続けたいし、5番手スタートからでも“自分は勝てる!”と思い続けて走ることを心に決めています」とコメント。


Rank Car No. Name
1 17 平峰 一貴 HFDP/SRS-F/コチラR
2 4 平川 亮 FTRSクラリオンFCJ
3 9 勝田 貴元 LUCK FTRS FCJ
4 18 清原 章太 HFDP/SRS-F/ARTA
5 19 松崎 俊祐 FTRS KofficeFCJ
6 8 元嶋 佑弥 HFDP/SRS-F/コチラR

 

Formula4

 今シーズンのF4シリーズは開幕戦が地震の影響でスケジュール変更を余儀なくされ、第2戦だったがこのレースが開幕戦となった。F4マシンの排気量は1850ccと2000ccがあり一見排気量の大きいほうが有利に感じられるが、実際はまだまだ1850ccのマシンも上位争いを出来る戦闘力を持っている。
 土曜日の予選で雨の中ポールを決めたのは50B-MAX-RK01-TODAの関口雄飛、ただ一人2分を切って堂々のポールポジション。日曜日の決勝でも好スタートから一歩も譲らなかったのはこの50関口、周回を重ねるごとにどんどん引き離して行くが、2番手・4番手争いがかなり接戦となった。前半は予選2番手からスタートの22SATO-ss.jp制動屋ミス 久保宣夫がキープしていたが、8GOLDEN ZAP006服部晃輔と56プロジェクトKKマースPFCの川口和希も予選7番手から徐々に順位を上げてくる。15周のレースを終えたときには、50関口、56川村、8服部の順位でチェッカーを受けた。
 総合の表彰台で50関口が「かなり良いペースで走れました、後半ではタイヤを大事に走っていました」と話し1850cc表彰台トップの56川村は「2リッター勢に追いつきたい、ここまで出来たので次も頑張ります」と話していた。



Rank Car No. Name
1 50 関口 雄飛 B-MAX・RK01・TODA
2 *56 川村 和希 プロジェクトKK マースPFC
3 *8 服部 晃輔 GOLDON ZAP006
4 22 久保 宣夫 SATO-ss.jp制動屋ミス
5 82 栗原 正之 テクノクラフト はやぶさ F4
6 *5 佐伯 和洋 テクノクラフト はやぶさ F4
※排気量 無印=2000cc *印=1850cc


 

FJ1600/S-FJ

 こちらも今回が今シーズン開幕戦となるSuper-FJ&FJ1600レース、今回はSuper-FJに22台、FJ1600は3台のエントリーがあった。
 前日の予選でポールを決めたのはSuper-FJクラスの14Web Aqua Zap EDを走らせる武平良介、そこに0LEYJUNディープレーシングのOSAMUが続く、最年少18歳の武平に対して52歳、レース経験豊富の大ベテランOSAMUというフロントロー対決になった。
 FJ1600クラスは3プロジェクトKKマース関口の3川村正徳がポールを取った。決勝スタートでは2番手からスタートの0 OSAMUが1コーナーで武平を押さえてトップに立つ。レース前半こそその差が一秒以上あったが、そこから14武平も猛烈な追い上げで徐々にその差を縮めていく。コーナリングで追い詰めるのだがストレートでどうしても追いつかないという見ごたえのある状態が毎周回見られた。
 12周のレースのチェッカーでは0.138秒という僅差で0 OSAMUが優勝した。3位には予選7番手から徐々に順位を上げてきたB-MAX・RD10VのDRAGONが入った。FJ1600は3川村がそのまま逃げ切って優勝。
 表彰台でOSAMUは「スタート1コーナーで前に出られて“やった!”という感じでした。武平選手はとても速かったですね」とベテランらしい余裕のコメント。そして3位の37 DRAGONが横から「次は絶対この二人をやっつけます!」と宣言。FJ1600クラス優勝のこちらも51歳川村は「歳ですが、まだまだ行きますよ!(決勝では)2台で寂しいので皆様もっと出てきてください」と話していた。


S-FJリザルト

Rank Car No. Name
1 0 OSAMU LEYJUNディープレーシング
2 14 武平 良介 Web Aqua ZAP ED
3 37 DRAGON B-MAX・RD10V
4 7 中山 雅佳 ZAP HITACHI 10V
5 5 山崎 洋輔 ZAPワールドED
6 82 松本 直也 winds XADO KK-S

FJ1600リザルト

Rank Car No. Name
1 3 川村 正徳 プロジェクトKK マース 関口
2 20 柿島 昭一 ROMANTEC・FV95


 

4時間耐久レース

 富士チャンピオンレースで恒例となっている年に一度の4時間耐久レース。今シーズンは開幕戦が耐久レースというスケジュールになっている。
 いつもはクラスごとで激しいバトルを繰り広げているライバル同士も耐久ではチームを組み、クラスも混走でいろいろなマシンが競い合い、ドライバーも2人・4人編成で4時間を戦い抜くというお祭り的な要素もありつつも、シリーズチャンピオン争いにも重要な一戦。当然のことながらチームワークが優勝への肝心な要素となっているが、今年は特に開幕前の大震災があり、すべての人々は常日頃いかにチームワークが大切かということをいつも以上に身に沁みてのスタートとなった。

 土曜日の予選では雨の中ただ一台だけ2分10秒を切る2'09.032のタイムを出しポールを取ったのがAE111クラスの4ウエタケワコーズ明EDトレノ 太田侑弥/小野田貴俊、上位5台はAE111クラスが続き、6番手に95ミッドランド・アクレシルビアの瀧下貴之/高橋勇生/西田広一郎、その後ろ7番手のグリットにはN1400クラストップの5アネックス内藤板金μEP82水谷明彦/山口崇/藤田憲也。カローラアクシオの14TKMpowermagic里山勉/堀口誠/田辺良輔は10番手からのスタート、MR2トップの26藤永クリニックダイエーMR2の谷田伸行/藤永雅彦/深田篤が総合12位のポジション、N1000クラスは12オリエンタルS-ED・ヴィッツ 綾真則/金谷真吾/小西省一が総合13番手からのスタート、ロードスターのトップは65 橋商店アクレSPM・NA6の高橋和雄/中島哲也が総合14番手、デミオの103地震被災地がんばれ阿部組デミオの嶋田直勝/R.P.M/Hは28番グリッドからのスタートとなった。

 合計8クラス(1台のみエントリーが4クラス)30台のマシンでレースが行われる。好天の日曜日、13:23に4時間耐久のスタートが切られた、全車ローリングスタートからきれいに1コーナーに消えて行ったが上位集団では96シルビアが三位にまで上がっている。中段スタートのN1000クラスやロードスタークラスなどはスタート直後からまるでスプリントレースのような激しい争いが続けられている。ロードスターvsヴィッツはストレートで安定して早いロードスターと、コーナリングで巻き返すヴィッツ、クラスが違うものの、コース上では順位がめまぐるしく代わっていく。
 マシンやクラスによって燃費も違うので、ピットインのタイミングもまちまちだが、十数周を周回したあたりから徐々に一度目のルーティーンのピットインをするマシンが出てくる、そんな中、ポールからスタートしてその座を譲らすにトップをキープしている4太田/小野田組は着々と二番手以降を引き離しにかかり、スタートから50分ほど経過した22周目に最初のピットイン、その後もコンスタントに周回とピットインを重ね、4時間のチェッカーが降られる時には二位に1ラップ以上の差をつけて総合優勝した。

 一方N1000クラスやロードスターは最後まで目が離せない展開となり、ロードスターはトップの65 橋/中島組と1雨宮/大野組が終始争い、ラスト2ラップで65中島が前に出てそのまま優勝した。N1000クラスでも残り10周程度になったところで上位マシンが続々とベストラップをたたき出しながらの争いが続き、その中でも前に出た7松波/渡辺/深沢組が前に出て他車を引き離しにかかり優勝した。
 各クラス行われた表彰台では、恒例になっているようにドライバーやスタッフの子供達も台に上がり「パパ格好いい!」のコメントも。老若男女問わずに楽しめる一戦となった。


Rank No. Class Class
Ranking
A Driver B Driver C Driver D Driver
1 4 AE111 1 太田侑弥 小野田貴俊    
2 90 AE111 2 市丸聡 松井有紀夫    
3 46 AE111 3 浅野哲夫 溝口司 與那覇伸一  
4 96 シルビア180 1 瀧下貴之 高橋勇生 西田広一郎  
5 21 N1400 1 大竹直 デパマン石渡 塚田利郎 高橋伸博
6 65 ロードスター 1 高橋和雄 中島哲也    
7 1 ロードスター 2 雨宮恵司 大野俊哉    
8 14 カローラ
アクシオGT
1 里山勉 堀口誠 田辺良輔  
9 9 ロードスター 3 万歳聡 にゃじごん 戸田裕一  
10 13 N1400 2 宮田佳明 北川信弘 藤井幸弘  
11 40 ロードスター 4 朝倉潤司 阿部恵一 中川達彦 柳本文彦
12 7 N1000 1 松波太郎 渡辺明 深沢雅文  
13 28 ロードスター 5 吉野純一 室岡嘉浩 松田彰悟  
14 26 MR2 1 谷田伸行 藤永雅彦 深田篤史  
15 54 N1000 2 山田健 清水悠祐    
16 32 N1000 3 秋田叔紀 石本昌人 木村将隆  
17 41 N1000 4 佐藤英二 金森敏一    
18 2 N1000 5 あおきみのる てらだただし    
19 49 N1000 6 山口浩昭 飯田裕    
20 48 N1000 7 ナカジー 竹村紀幸    
21 12 N1000 8 綾 真則 金谷真吾 小西省一  
22 83 N1000 9 松本英之 菊井洋章 北田和哉  
23 16 N1000 10 篠原憲生 船木宏    
24 27 N1400 3 斎藤和実 堀口和也 新井優 内野加寿仁

AE111リザルト

Rank No. A Driver B Driver C Driver D Driver
1 4 太田侑弥 小野田貴俊    
2 90 市丸聡 松井有紀夫    
3 46 浅野哲夫 溝口司 與那覇伸一  

N1400リザルト

Rank No. A Driver B Driver C Driver D Driver
1 21 大竹直 デパマン石渡 塚田利郎
2 13 宮田佳明 北川信弘 藤井幸弘  
3 27 斎藤和実 堀口和也 新井優 内野加寿仁

N1000リザルト

Rank No. A Driver B Driver C Driver D Driver
1 7 松波太郎 渡辺明 深沢雅文  
2 54 山田健 清水悠祐    
3 32 秋田叔紀 石本昌人 木村将隆  
4 41 佐藤英二 金森敏一    
5 2 あおきみのる てらだただし    
6 49 山口浩昭 飯田裕    

Roadsterリザルト

Rank No. A Driver B Driver C Driver D Driver
1 65 高橋和雄 中島哲也    
2 1 雨宮恵司 大野俊哉    
3 9 万歳聡 にゃじごん 戸田裕一  
4 40 朝倉潤司 阿部恵一 中川達彦 柳本文彦
5 28 吉野純一 室岡嘉浩 松田彰悟  





 

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