毎年恒例となった富士チャンピオンレースシリーズの第1戦目は各カテゴリー混走の4時間耐久レース、それも今回で5回目となる。耐久レースはドライバー2人〜4人で組んで出場するため、スプリントのレースではライバル同士のドライバーでも耐久レースはチームを組んでの参戦となる。
　土曜日に行われた予選では、AE111クラスの4太田/なかむら組が総合トップでポールポジションを決めた。上位7番手までAE111クラスだが5番手にN1600章典外のEG6が入ってきた。全エントリー33台でクラスは7クラス、その中でも普段チャンピオンレースではカテゴリーの無いN1600クラスのシビックが上位に入ってきたことになる。

　シルビアクラスでトップだったのは96西田/崇島組、NA6ロードスターのトップが47高橋/高橋組、N1400クラスは92岩月/小松/飯塚組、N1000クラスでは25佐藤/石綿/石本組、デミオでは103R.PM/H/辻戸組となっている。マシンもレビン/トレノのAE111、シルビア、デミオ、NA6ロードスター、ヴィッツ、といった普段からチャンピオンレースを戦っているマシンに加えてスターレットEP82やシビックEG6、AE86など少々懐かしくなってきたマシンも混走する見る側にとっても楽しい耐久レースだ。
　昨シーズンはシリーズを通してウェットレースがやたらと多かったこの富士チャンピオンレースだったが、2009年の開幕戦は雲ひとつ無い晴天に見舞われ、気温21度・路面温度32度という絶好のレース日和となった。

　11:58にローリングスタート方式によりスタートが切られた。さすがに4時間の長丁場スタートなので、スタートから無理をするマシンもいないものの、上位三台は団子状態で１コーナーに消えていった。スタートから10分ほど経過して7周目くらいにはトップクラスのマシンは後方のマシンをラップ遅れにしていくほどのスピード差だ。
　15周目あたりからはルーティーンのピットイン作業でピットに入りだすチームもちらほら増えてくる。20周あたりからはマシントラブルなどのアクシデントでピットに戻ってくるマシンも出だすが、なんといっても4時間の耐久レースなので、ピットに一旦入れてでも何とか修理してとにかくチェッカーを受けるということにトラブルの出たチームはチームスタッフも走り回っている。クラスの差で速さの違いは出ているものの、中盤になっても同じクラス同士ではあちらこちらでデットヒートが見られた。

　スタートから4時間後にトップでチェッカーを受けたのは4太田/なかむら組、終始トップの座を受け渡すことなく107ラップを走りきり優勝した。
　総合表彰台で真ん中に立った4太田/なかむら組だが、インタビューでは謙虚な答えをしていた。アナウンサーの「完璧なスタートでしたね」という問いに太田は「何と言ったらいいのか・・？」と答え、なかむらも「初戦で勝てて今シーズンは良いのでは？」との問いかけに「そんなこと無いです」と。また2番手に入った46溝口/浅野/牧口組はこの中での一番の若手でも45才というチーム、「45歳の若手をサポートしてくれたおじいさん達に感謝です！」とコメントして、周囲を笑わせてくれた。

　スバルエンジン搭載ののFJ1600とウィング付きでホンダエンジン搭載のSuperFJ混走で行われるこのレース、まずSuperFJは綜合でもポールポジションからスタートした26上住がその座を奪われること無くポールトゥウィンで逃げ切ったが上位4台はかなりの激戦、予選5番手からスタートした81西岡がどんどん追い上げ2位でチェッカーを受け、3位には今年からこのクラスに絞ってエントリーをしてきたハコのマシンではS耐久などにも参戦していたがフォーミュラーは初めてのDRAGONが入った。
　FJ1600は綜合9番手・クラス4番手からスタートした1菊池が徐々にポジションを上げ、後半ではクラストップからスタートした0渡辺との激しいトップ争いを行いこれを制した。
　表彰台でSuperFJクラスの26上住は「急遽参戦が決まったのにポールトゥウィンをとれて嬉しいです。この後のこと（参戦）はまだ決まっていません」と語り、FJ1600クラス優勝の1菊池は「周りの人たちに目をかけていただき、助けてもらった。優勝できてとても嬉しいです」とコメントしていた。

S-FJリザルト Rank Car No. Name 1 26 上住 道人 2 81 西岡 優樹 3 77 DRAGON

FJ1600リザルト Rank Car No. Name 1 1 菊池 博憲 2 0 渡辺 義人 3 7 高梨 寛也 4 37 関根 正人 5 54 柿島 昭一 6 11 麓 悠太郎

　F4東日本シリーズはこの日第2戦が行われた。予選では26花岡がポールポジションの座を取り第1戦優勝の14近藤が2番手からのスタート。決勝では5番グリットの74宮沢がスタートできなかったもののトップ集団は1周目から熾烈な争いを繰り広げた。ストレートに戻って来た時には26花岡・72金井・14近藤の順となっているがかなりの接近戦となる。結果は26花岡がポールトゥウィンを飾ったが、上位三台は6秒以内の差でチェッカーを受けるという接戦でチェッカーが降られる。平均年齢27.7才という今年のF4シリーズの中でも上位三台は若手が占めた。
　表彰台では26花岡「思ったより良いペースで走れました」72金井「スタートで前に出るつもりが行かれてしまいました。次は優勝します！」14近藤「難しかったです。次戦はもてぎなので第1戦のように勝ちたいです」と語った。
　今回の上位は若手とはいえ作シーズンFJでダントツの速さを見せ付けた18見栄張る週末派も今シーズンはF4にステップアップ、2戦目にして一時は3位争いに加わったり、74宮沢もスタートで最下位になったものの後半では5位争いに加わるほどすべてにおいて目の離せないカテゴリーになりそうだ。

Rank Car No. Name 1 26 花岡 翔太 2 72 金井 亮忠 3 14 近藤 翼 4 17 大波 肇 5 55 阿知波 勉 6 74 宮沢 孝由

　この日最初に行われた決勝レースとなるヴィッツレース関東シリーズの第1戦はエントリーは52台、そのうち決勝に残れた45台で争われた。
　予選でポールポジションを取ったのは62松原、35小山・71松代とそれに続く。9:50にスタートが切られ台数が多いながらも各車トラブルも無く綺麗にスタートを決めていく。
　序盤はトップ争いと3番手争いが毎周各所で行われていたが、中盤にかかると62松原・35小山・363町田の順で落ち着いてきた。革って4番手争いが激しくなってきた。上位2台はスタートポジションのままチェッカーを受けたが、3位には5番手スタートの363町田が前半で順位を上げチェッカーを受けた。
　62松原「今回は良いレースが出来ました」35小山「松原さんについていかれなくて情けないです。次までに腕を磨きたいです」363町田「昨日の予選がダサかった。次はなんとか頑張りたいです」
　レースカテゴリーの中でも比較的女性の参加が多いヴィッツクラスだがそれでも全体の一割にも満たないそんな中、今回のレースは表彰台の2位・3位を女性が占めた。

Rank Car No. Name 1 62 松原 亮二 2 35 小山 昌子 3 363 町田 亜矢 4 93 橋本 元 5 9 釆女 秀樹 6 71 松代 耕二